センチメンタルナイト【完】
外に跳ねている毛先をつまみながら夕紀にお礼を告げる。
すぐに「お礼に今度焼肉奢ってね」と返してきた辺りは夕紀らしいなと笑ってしまった。
俺の中では静かな葛藤が生まれていた。
好きな女が知らずのうちに失恋を繰り返して、それでも尚一途に想い続けている健気さに惹かれて、幸せになってほしいと望む反面自分がその幸せを捧げることはできない。
そんなもどかしさや不甲斐なさに打ちひしがれながらも、自分に心変わりさせることはできないものかと悩むだけで、何もできずに時間ばかりがいたずらに流れていく。
夕紀の幸せを願うか自分の幸せを優先するか。
別なベクトルを示す欲に板挟み状態にさせられながら、俺にもこんな不器用な面があったのだなと驚いてしまった。
人っていうのは、心底から誰かを愛せるようになると変われるものだ。
いつしかいたく彼女を大切にしていた水前寺が言っていた言葉の真意が、胸の中心に佇んで俺を見据えていた。
すぐに「お礼に今度焼肉奢ってね」と返してきた辺りは夕紀らしいなと笑ってしまった。
俺の中では静かな葛藤が生まれていた。
好きな女が知らずのうちに失恋を繰り返して、それでも尚一途に想い続けている健気さに惹かれて、幸せになってほしいと望む反面自分がその幸せを捧げることはできない。
そんなもどかしさや不甲斐なさに打ちひしがれながらも、自分に心変わりさせることはできないものかと悩むだけで、何もできずに時間ばかりがいたずらに流れていく。
夕紀の幸せを願うか自分の幸せを優先するか。
別なベクトルを示す欲に板挟み状態にさせられながら、俺にもこんな不器用な面があったのだなと驚いてしまった。
人っていうのは、心底から誰かを愛せるようになると変われるものだ。
いつしかいたく彼女を大切にしていた水前寺が言っていた言葉の真意が、胸の中心に佇んで俺を見据えていた。