センチメンタルナイト【完】
目のやり場に困り、再び携帯に視線を戻せば先ほどスバルから送られてきていたメッセージに「ちゃんと家帰ったか?まさか金子に食われてねぇだろうな?」との文字を発見して、羞恥心のあまり画面を叩き割りたい衝動にかられた。
図星をついてくるとは、スバルめ、意外と察しが良いな。


「おはよう」
「お、おはよ……」
「シャワー浴びてくか?」
「大丈夫。もう帰るから」
「なら送るぞ」
「ううん、一人で帰れるよ」


遠慮した私の意見を「そうか」とすんなり受け入れてくれた仁。
仁も昨夜のこと気にかけていて、柄にもなく気まずいとか感じちゃってたりするのだろうか。
元々淡泊でしつこい性格ではないけど。

そこはかとなく漂う余所余所しい雰囲気に居た堪れなくなり、鞄を持った私は仁の横を通り過ぎて玄関に向かった。
パンプスを履いてドアノブに手を掛けた私は、そこで一度動作を停止する。
お礼くらい言わないと。
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