センチメンタルナイト【完】



夕紀と親しくなったのは高校に上がり最初の学校祭があったあの秋のことだ。
それまで夕紀とはただのクラスメイトという仲で、別段親しいわけでもなければまして恋愛対象として見たこともなく、夕紀がどんな奴かと訊ねられても、まぁ面白くていい奴なんじゃないかと在り来たりな回答しかできないような、そんな至って明快で嫌味のない関係だった。


「金子ぉ、その耳のカフスどうしたんだ?」
「もらった」
「また大人のお姉さんから~?仁ってほんっと媚びるの上手だよねぇ」
「水前寺に言われてもな」
「くそー、オレも年上の姉ちゃんと付き合ってみっかねぇ。その方が何かと得できそうだしよ」
「スバルならイケるんじゃないのぉ。なんてったってうちのグループのイケメン枠だし~?」
「水前寺おまえー、そんな褒めても何もでねーからな!」
「ちぇっ、つまんないの~」
「おい金子!オレに良い女紹介してくれよ」
「……この前俺が付き合ってた女でいいか?」
「中古じゃねーか!よし貰った!」
「もらうんだぁ」
「あなたたちー、授業中に私語は慎みなさいね」
「げっ、るりちゃん先生!?」
「ねえねえスバル、年上の女ってるりこちゃんは駄目なのぉ?」
「こんなん対象外に決まってんだろーが!」
「木之本くんはそんなにコブラツイスト食らいたいのかしら?」
「やっ、なんでもないですスンマセンしたマジでいででででで!いてーから!」
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