余命38日、きみに明日をあげる。

ベッドの上で、私は膝を抱えた。

琉生を見た目だけで好きになった子とつき合うのはあまり賛成出来ないけど、歩美ちゃんは違う。琉生の優しさにひかれたんだから。

「だからって、無理だよ」

「歩美ちゃん、本当にいい子なんだよ」

「そうだとしても、俺は好きになった子じゃないとつき合えないよ」

「頭固いなあ。初めから両想いなんて奇跡だし、世の中のカップル、ほとんどどっちかが先に好きになったんじゃないの?」

告白されて気になって、それから相手をよく知って好きになっていく。そん
な形もたくさんあるはず。

「莉緒は、その……」

「私? なに?」

言いにくそうに問いかけた琉生に、私はちょっぴりイライラしながら返した。

「好きなやつとかいないの」

いきなり話が変わって面食らった。

しかも、そんなことを言われたのは初めてでビックリしてしまったのだ。
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