余命38日、きみに明日をあげる。
莉緒の願いを叶えれば、本当に莉緒の運命が変わるのだと今日思い知らされた。
そう思ったら、早く残りの二つの願いをみつけ、叶えなければならない。
『倉木莉緒をずっと見てきたお前なら、わかるだろ』
きっと、俺にしかわからない、俺にしか叶えてやることの出来ない願いがあるはずなんだ。
ふたりを見送った空には、星が瞬いていた。こんな晴れた夜空の向こうには、厳しい寒さの夜明けが待っているはずだ。
明日の朝は、また莉緒にマフラーを巻いてやらないとな……。