余命38日、きみに明日をあげる。
「こんにちは」って挨拶したけど、私の目に映ることはなかった。魂を取るターゲットにしか見ることは出来ないのだと、アキちゃんを通じて死の神に教えてもらった。
琉生は何も言わず、私の言葉に耳を傾けていた。
「……琉生? どうしたの?」
この話を人にするのは初めてだけど、反応が薄く不思議に思う。
最初ビックリしていた割には、冷静な気がして。
「じゃあ、アキちゃんも莉緒も、アキちゃんが亡くなることがわかってたのか?」
今までの話を全て肯定するかのようなそれに、私はゆっくりうなずいた。
「死の神が来たから、死ぬのが怖くなくなったって。死んだら、天使になれるんだって、アキちゃん、笑ってた」
死の神が教えてくれたらしい。向こうは楽しいところなんだって。私天使になれるんだー、って嬉しそうにしていた。
思い出したら、やっぱり涙が出てきてしまった。