余命38日、きみに明日をあげる。
本当に亡くなってしまった時は悲しくて、一晩泣き続けた。死の神が憎いと思った。……でも。
「アキちゃんが亡くなって、いっぱい泣いちゃった翌朝、ベッドのわきに手紙が置いてあったの」
「手紙?」
「うん。メモ……みたいなものだったんだけど、"ずっと見守っているよ。天使になるそのときまで"って。最初は誰が書いたのかわからなかったけど、もしかしたら、死の神さんからの手紙だったんじゃないかって」
天使という言葉が、ひっかかったのだ。
でも、そのメモは無くしてしまったのだけど。
それからは、アキちゃんの笑顔を思い出して泣いちゃいけない気がした。死の神のお兄さんは、本当に優しくていい人だったと言っていたから。
私が死ぬときにも、きっと死の神が現れるはず。
「私にはまだ死の神が来てないから、もうちょっと生きていられるのかなって」
「あ、当たり前だろ」
「でも、もし来たら……その時私は、アキちゃんみたいに死の神を受け入れられるのかな」