余命38日、きみに明日をあげる。

「そうすれば、私も佐久間くんに守ってもらえたかな?」

「かもかもー。体が弱い子って、いつの時代もイケメンに守ってもらえて得だよねー」
 
さすがにそれには、少なからず嫌みが含まれているように感じて、胸がチクリと痛んだ。

琉生が私に構っているのを、日ごろから面白く思っていないのかもしれない。
 
だんだんと、顔が下向きになっていく。
 
やっぱり私は周りから疎ましく思われているんだ。

体が弱いから、琉生に守られていること。

本当のことだから、開き直ることもできない。

そんな私に、とどめの一言。

「だから佐久間くん、彼女作れないんだよ」
 
明らかに小声になったけれど、私の耳には届いていた。

分かっていることを他人に言われるほど辛いものはない。

苦しくて悔しくて。

密かに手のひらに爪をたてたとき、

「ちょっと、アンタたち」

怒りを含んだ声が聞こえ、反射的に顔をあげた。
 
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