君のブレスが切れるまで
「ねぇ、なんで……ここまでしてくれるの?」


 彼女は先程スポーツドリンクが入っていたレジ袋から、たくさんのかち割り氷が入っている袋を取り出しながら答えてくれる。


「胡散臭いと思うかもしれないけど、貴女の生きる理由になりたいから」


 またそれ。ほとんど初対面みたいなものなのに、本当に胡散臭すぎる。
 ゴトゴトという音と共に、透明な袋へ氷を入れていく。その横顔はやっぱり無表情で、何を考えているのかは読めなかった。


「いつか、ちゃんと話すわ」
「……別にいい、知りたくない」


 急にこっちを向かれ、私は顔を背けるとそう嘘をついた。
 彼女についてすごく気になる。この気持ちは嘘じゃないんだと感じてしまい、言いようのない何かが私を悩ませる。


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