政略結婚から始まる蜜愛夫婦~俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない~
「それはもちろん! でも、その……」

 言葉を濁して口籠る千鶴ちゃん。

「どうしたの?」

 様子がおかしい彼女を不思議に思って尋ねると、千鶴ちゃんは「なんでもない」と言って、首を横に振った。

「たとえお兄ちゃんとの婚約が解消になっても、私はずっと凛々子ちゃんと友達でいたい。そして私は友達として、凛々子ちゃんには幸せになってほしいと思ってるの。そのために私にできることをさせてもらうからね」

 もう千鶴ちゃんには十分すぎるほど力になってもらっているんだけどな。

「本当にいつもありがとう。でもそれを言ったら私も同じだよ。私も千鶴ちゃんには、幸せになってほしいと思ってるから」

 心からそう思う。

「千鶴ちゃんもなにかあったら、いつでも私を頼ってね。……と言っても私は年上なのに、千鶴ちゃんほど頼りにならないと思うけど」

 千鶴ちゃんは年下とは思えないほどしっかりしている。私ばかりが甘えてきちゃったもの。たくさん支えてもらった分、少しでもお返ししたい。
< 11 / 225 >

この作品をシェア

pagetop