政略結婚から始まる蜜愛夫婦~俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない~
「なに言ってるの? 私、今までどれだけ凛々子ちゃんの存在に助けられてきたか。だから本当に凛々子ちゃんには、幸せになってほしんだ。私は常にそう思っていることを、忘れないでほしい」

「……? う、ん」

 念を押すように力強い声で言う千鶴ちゃんに、少し戸惑ってしまう。

 こんなに何度も言うことに、なにか意味があるのだろうか。

 彼女は神妙な面持ちで続ける。

「それで彼氏にはいつ言うの? 心配だから、なにかあったらすぐに駆けつけられるように、ちゃんと会う日時が決まったら教えてね」

「うん、わかったよ」

「絶対だよ、約束ね」

「はい」

 返事をすると、やっと千鶴ちゃんの表情が和らいで私もホッと胸を撫で下ろした。
 私の思い過ごしだったのかも。

 その後はいつものように、他愛ない話で盛り上がった。



 千鶴ちゃんと別れて帰宅後、二十畳ある自分の部屋に入ると、真っ直ぐに向かう先は本棚に飾られている写真立て。

 家族や友達との写真がある中で、零士君とふたりで映っている写真が一番多い。それは、幼少期から両親たちが撮り続けてきたもの。
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