政略結婚から始まる蜜愛夫婦~俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない~
「綾子もさ、どうしてあんな自信があるのかわからないけど、周りに言いふらしているらしいの。お兄ちゃんが本当に愛しているのは自分だって」

「えっ? そうなの?」

「うん、怖いでしょ? お兄ちゃんが好きなのは、凛々子ちゃんなのに」

 だけど笹野さんも根拠があるから、そう言っているわけだよね?

 ふと、零士君に想いを告げられた日のことを思い出す。

 そういえば零士君、言っていたよね。『凛々子が俺を裏切ったというなら、俺だって凛々子を裏切っていた。……凛々子を諦めるために、他の人と関係を持ったことがあるから』って。

 その相手って、もしかして笹野さんだったの?

 そうなら、笹野さんが言っていたという言葉の意味が理解できる。

 たとえ相手が笹野さんではないとしても、零士君が私以外の人と関係を持ったというのは事実。

 そう思うとなぜか胸がモヤモヤする。

 なんて身勝手な思いだろうか。自分だって零士君が初めての相手じゃない。文也と関係を持ったというのに。
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