政略結婚から始まる蜜愛夫婦~俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない~
「本当に綾子ってばずるいんだから。昔からそう。みんなにいい顔をして裏では汚い手を使っているの。大人になっても変わらないとか最低」

 ブツブツと文句を言うと、千鶴ちゃんは力強い瞳を私に向けた。

「凛々子ちゃん、綾子には充分気をつけてね! お兄ちゃんはまったく相手にしていないと思うけど、目的のために手段を選ばない子だから。凛々子ちゃんに危害を加えてこないとも言い切れないもの」

「そんな、まさか」

 否定するものの、千鶴ちゃんは顔を険しくさせる。

「そのまさかなの。とくにお兄ちゃんにずいぶん惚れ込んでいるようだし。どんなかたちで凛々子ちゃんに接触してくるか、わからないでしょ? なにかあったらすぐにお兄ちゃんに言ってね! もちろん私でもいいから」

「う、うん」

 千鶴ちゃんの迫力に圧倒されて、思わず返事をしてしまった。

 それを聞いて彼女は安心したのか、珈琲を啜る。
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