政略結婚から始まる蜜愛夫婦~俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない~
『俺もあと少しで仕事が終わるから、そうだな。……駅前の改札口で待ち合わせしようか? それこそデートっぽいだろ?』

 冗談交じりに言う零士君に笑みが零れる。

「わかった、じゃあ準備して向かうね」

『うん、俺も急いで行く』

 通話を切った後も、頬は緩んだまま。

 過去はどうやったって変えることはできないもの、気にすることないよね。大切なのは今だ。

 一緒に過ごす時間を大切にしていこう。

 急いで準備を進めて家を後にした。



 帰宅ラッシュの時間帯ということもあって、最寄り駅の改札口は多くの人が行き交っている。

 人の往来の邪魔になりそうだし、改札口前の広場で待っていたほうがいいよね。

 そこには私と同じように待ち合わせ相手を待つ人がたくさんいた。

 空いているベンチに腰かけて、零士君に着いたとメッセージを送る。

 まだ仕事が終わっていないようだったし、もう少しかかるかも。その証拠にメッセージには既読が付かない。

 周囲をキョロキョロしながら待つこと十分。遠くのほうから一際目を引く男性が目に入る。

 あ、零士君だ。

 背が高いから見つけやすい。
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