政略結婚から始まる蜜愛夫婦~俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない~
「するわけないだろ?」

 零士君が断っても、笹野さんは引き下がらない。

「凛々子さんとの交流を深めたいの。それに私とはいい関係を築いていたほうが、零士さんにとっても凛々子さんにとっても悪い話ではないのでは?」

 それは彼女の言う通りだと思う。

 今後も笹野さんの家の銀行とは、うちの会社も零士君の会社も付き合いが続いていくだろう。

 零士君と結婚した以上、私も社交の場での付き合いをしっかりしていかなければならない。

 そのためにも笹野さんとの仲を深めることは大切なこと。そう頭ではわかっているけれど、心が拒否している。三人で食事なんてしたくない。

「悪いけど、帰ってくれ」

 零士君がはっきりと告げると、笹野さんは表情を歪める。

「それは零士君の考えでしょ? 凛々子さんは違うわよね?」

「えっ?」

 すぐに矛先を私に向け、笹野さんは責め立てるように続ける。
< 142 / 225 >

この作品をシェア

pagetop