政略結婚から始まる蜜愛夫婦~俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない~
「ごめんなさい、まさか零士さんが本当に凛々子さんと待ち合わせしているとは夢にも思わなくて。だっておふたりは政略結婚でしょう? 食事をする仲だとは思えなかったの」

 棘を感じる言葉に、胸が苦しくなる。

 いや、以前の私たちを知る人から見たら、そう思われても仕方がない。

「久しぶりに零士さんと食事をしようと思っていたのに」

 意味深なことを言う笹野さんに、心が大きく揺れる。

 久しぶりにってことは、以前にも笹野さんは零士君と食事をしたってこと?

 疑心暗鬼になっていると、零士君が迷惑そうに言った。

「さっきも一緒に食事する気がないと言っただろ? それにもういい加減帰ってくれないか? これから夫婦の時間なんだ」

 毅然とした態度で接する零士君に、笹野さんは悔しそうに唇を噛みしめた。

 だけどすぐにハッとし、笑顔を取り繕って私を見つめた。

「そんな寂しいこと言わないでよ、零士さん。そうだ、せっかくの機会だし三人で食事しませんか?」

 三人で食事って嘘でしょ。
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