政略結婚から始まる蜜愛夫婦~俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない~
「わっ!?」

 驚いてすぐに振り返ると、そこには私の反応を見て満足そうに笑う文也がいた。

「びっくりした?」

「びっくりしたよー。声をかけてよ」

「ごめんごめん、凛々子のその驚いた顔を見たくてさ」

「もう」

 軽く胸をグーパンチすれば、文也は顔をクシャッとさせて笑う。

 文也は身長一六八センチと男の子にしては低め。カッコいい系というより、可愛い系の顔立ちをしていて、とくに笑った顔が印象的だった。この人の笑顔はとっても素敵だなって思ったの。

「行こうか、凛々子」

「うん」

 歩く時は、当たり前のように手を繋ぐ。こうした些細なことひとつで幸せな気持ちになれちゃう。

「俺、水族館に行くの久しぶりだよ」

「私も」

「そうなんだ。凛々子と一緒に行くのは初めてだし、楽しみだな」

 えっ? 初めてって……文也は忘れちゃったの? 付き合って初めてのデートで行ったことを。

 それとも私が「そうだね」と言ったら、「忘れたのか?」って突っ込みたくて、わざと覚えていないフリをしているだけ?
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