政略結婚から始まる蜜愛夫婦~俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない~
「どうせ旦那とは政略結婚だろ? 俺と同じで旦那も凛々子のことなど愛していないさ。だって凛々子にそんな魅力ひとつもないから」

 嘲笑いながら言われた一言に、胸が苦しくなる。

 もう文也のことを吹っ切れたはずなのに、嫌でも思い出してしまうよ。振られた日のことを。

「俺に圧力をかけたのだって、プライドが働いてだろ? 決して凛々子のためじゃない。本当、いい迷惑だ。こうなるなら最初から関わるんじゃなかった」

 怒りが収まらないのか、文也は「家柄がなきゃ、凛々子に近づかなかった」「お前を本気で愛する男なんて、この世にいない」など、ひどい言葉を次々と言う。

 苦しくてつらくて、怒りもこみ上げる。でもここで言い返したら、火に油を注ぐだけ。

 そう自分に言い聞かせて我慢していたけれど、その我慢もそろそろ限界。
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