政略結婚から始まる蜜愛夫婦~俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない~
「旦那なんて所詮、親の七光りの出来損ないだろ? いいよな、社長の息子に生まれたってだけで将来が約束されているなんて」

 今度は零士君のことをバカにし始めた文也に、たまらず声を上げた。

「零士君は親の七光りなんかじゃない! 努力家で仕事に真摯に向き合っているのだから。誰かのせいにしかできない文也に零士君のことを言う資格はないから」

 突然言い返した私に文也は狼狽え出す。だけど私の怒りは収まらない。

「それに私と零士君はちゃんと愛し合っているから。零士君は文也とは違う。本当の私を見て好きになってくれたの。文也こそどうなの? 自分にとって利益があるかないかでしか、相手を見ることができないのなら、いつまで経っても本当の恋なんてできないよ?」

 文也は私のことなど好きじゃなかったとしても、私は文也のことを好きだった。

 一度は好きになった人に、不幸になってほしいとは願っていない。

「就職活動だってそう。どうして諦めちゃったの? たとえ零士君がなにか圧力をかけたとしても、文也の人柄を見て採用してくれるところはあるんじゃない?」
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