政略結婚から始まる蜜愛夫婦~俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない~
「なにって……凛々子が生意気なことを言うから」

 そう言うと再び文也は声を荒らげる。

「お前が凛々子の旦那だな。よくも俺の人生をめちゃくちゃにしてくれたな。卑怯だぞ、自分の権力を振りかざして俺を採用しないように圧力をかけるなんて」

 そんな文也に対して、零士君は冷静に言った。

「心外だな、俺は圧力をかけたつもりはない。ただ、助言をしただけだ。取引先にとって不利益になるような人材をとってほしくないからな」

「なんだとっ……!?」

 一触即発の空気に緊張がはしる。

 だけど零士君は私を庇うように立ち、文也に冷静に続けた。

「凛々子に取り入って、あわよくば社長の座に就こうなどと安易なことを考えるやつなんて、誰も必要としていない。それを面接官たちは見抜いたまでだ。そうやって誰かのせいにしている時点で、俺が圧力をかけようがかけまいが、誰もお前を採用などしないさ」

「……っ」

 言い返せないのか、押し黙った文也に零士君は厳しい口調で言った。
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