政略結婚から始まる蜜愛夫婦~俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない~
「それと二度と凛々子に近づくな。お前にどれだけ凛々子が傷つけられたか……。次また凛々子を傷つけようものなら、俺が許さない。どんな手段を使ってでも、お前を見つけて凛々子よりもつらい想いをさせてやる」

 怖いことを言う零士君に怖じ気づいたのか、文也は「誰がこんな女に近づくか」と捨てセリフを吐いて、逃げるように去っていった。

 するとすぐに零士君は心配そうに私の様子を窺った。

「大丈夫か? 凛々子」

「うん。……ごめんね、迷惑をかけて」

 謝ると、零士君は首を横に振る。

「迷惑に思うわけがないだろ? よかった、凛々子にケガがなくて」

 心底安心して言って零士君は優しく私を抱きしめた。

「ありがとう、零士君。さっきも嬉しかった」

 私のためを思って言ってくれた言葉が、どれほど嬉しかったか。

「愛しい妻を守るのは当然だろ? 凛々子に危害を加えたら、誰であろうと許さない」

 力強い声で放たれた言葉に、胸がギュッと締めつけられる。

「ありがとう」

 胸が苦しくて声が震えてしまう。
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