政略結婚から始まる蜜愛夫婦~俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない~
 乗船したのは小型のクルーズ船。だけど私たち以外の乗客はいないようだ。

 キョロキョロしていると、零士君は「今夜は俺たちの貸切」と言った。

「せっかくの結婚記念日だし、たまにはこういうのもいいだろ? 東京湾を眺めながら、ゆっくりと凛々子とふたりで食事をしたいと思って」

「零士君……」

 嬉しいサプライズに目頭が熱くなる。

「おいで、いこう」

「うん」

 彼に手を引かれ、船の先端へ移動すると、ゆっくりと船は動き出した。

 船上から眺める東京の夜景はとっても綺麗で、目が釘付けになる。

 しばし夜景を堪能していると、零士君は私と向き合った。

「凛々子」

「ん?」

 名前を呼ばれ、私も零士君のほうを向く。すると彼は、急に跪いた。

「えっ? 零士君?」

 突然のことに困惑してしまう。零士君はそんな私の手を取って真っ直ぐに私を見つめた。
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