政略結婚から始まる蜜愛夫婦~俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない~
 彼の言葉を待っていると、零士君はニヤリと笑った。

「凛々子からキスしてよ」

「私から?」

「うん、凛々子からキスしてほしい」

 無理だよ。自分から零士君にキスしたことなんてないし、なにより恥ずかしい。……でも。

 零士君を見れば、期待した顔で待っている。

 それにサプライズ、とっても嬉しかった。この想いを零士君に伝えたい。

 羞恥心を捨てて、背伸びした。そして触れるだけのキスをして、目を開けると零士君は嬉しそうに私を見ている。

「ど、どうでしょうか?」

 窺うと、零士君はにっこり微笑んだ。

「うん、プルプル震えて懸命にキスしてくれた姿は可愛かったけど、ちょっと物足りないかな」

 そう言うと零士君は私の頬を包み込み、唇を塞いだ。

「んっ……」

 私のキスがお子様のキスだと思うくらい、大人で深いキスが。 舌を絡ませ息が上がるほど濃厚なキスに、次第に身体の力が入らなくなる。

 そして息を絶え絶えになる頃、零士君はそっと囁いた。

「あいつから心も身体も奪い、やっと手に入れたんだ。絶対に離さないからな」

 再び塞がれた唇。

 零士君と離れたくない、離さないでほしい。

 彼の背中に腕を回すと、よりいっそう深いキスに変わる。

 初めて彼と結ばれた日の夜、零士君は言っていた。「あいつに奪われた心も身体も、全部俺が奪うから」と。

 宣言通り、私の心も身体も零士君に奪われた。きっとこの先、一生誰にも奪われることはないだろう。

 零士君以上に好きになれる人など、絶対にいないもの。
                              END
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