政略結婚から始まる蜜愛夫婦~俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない~
それにしても、あまりに呆気ない最後に乾いた笑い声が漏れる。
ううん、ものは考えようだ。早くに文也の本音を知ることができてよかったじゃない。
これからも文也と一緒にいたら、きっと私はもっと彼を好きになっていて、さらに傷は大きくなっていたはず。
つらくて悲しいはずなのに、あまりに突然なことに涙さえ出ない。
呆然と大水槽を眺めていると、閉館時間を知らせるアナウンスが流れた。
「帰らないと」
立ち上がったものの、足に力が入らない。それでもどうにか水族館を出た。
外はすっかり日が落ちていて薄暗い。
おぼつかない足取りで進んでいると高校生くらいの男の子にぶつかり、身体がよろめいて倒れ込んでしまった。
「痛っ」
思わず漏れた声に対し、男の子は「危ねぇな、気をつけろよ」とだけ言って去っていく。
それは他の通行人も同じ。誰も私に手を差し伸べることなく、迷惑そうに私を見て通り過ぎていく。
手のひらに痛みを感じて見ると、転んだ時に擦りむいたようで血が滲んでいた。
そこに一滴の涙が落ちた。一度溢れると止まらなくなり、ポロポロと零れ落ちていく。
ううん、ものは考えようだ。早くに文也の本音を知ることができてよかったじゃない。
これからも文也と一緒にいたら、きっと私はもっと彼を好きになっていて、さらに傷は大きくなっていたはず。
つらくて悲しいはずなのに、あまりに突然なことに涙さえ出ない。
呆然と大水槽を眺めていると、閉館時間を知らせるアナウンスが流れた。
「帰らないと」
立ち上がったものの、足に力が入らない。それでもどうにか水族館を出た。
外はすっかり日が落ちていて薄暗い。
おぼつかない足取りで進んでいると高校生くらいの男の子にぶつかり、身体がよろめいて倒れ込んでしまった。
「痛っ」
思わず漏れた声に対し、男の子は「危ねぇな、気をつけろよ」とだけ言って去っていく。
それは他の通行人も同じ。誰も私に手を差し伸べることなく、迷惑そうに私を見て通り過ぎていく。
手のひらに痛みを感じて見ると、転んだ時に擦りむいたようで血が滲んでいた。
そこに一滴の涙が落ちた。一度溢れると止まらなくなり、ポロポロと零れ落ちていく。