政略結婚から始まる蜜愛夫婦~俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない~
「わかったよ、じゃあこれからはなんでも凛々子に聞く。凛々子も俺のことで聞きたいことがあったら、なんでも聞いてくれ。凛々子には嘘つかずに正直に話すから」

 柔らかい笑顔で話す零士君に、胸が苦しくなる。

 それでもどうにか「うん」と返すと、彼は私の手を引いた。

「じゃあ今度こそ買いに行こう。でもランチも予定しているから、食べ過ぎるなよ?」

「うん、わかった」

 おどけて言う零士君につられて、笑ってしまった。

 クロワッサンと気になったパンを二個選んで、会計は零士君が対応してくれた。

 それというのも零士君はフランス語もペラペラだからだ。私も英語ならある程度スムーズに会話ができるけれど、フランス語は無理だった。

 観光に必要な最低限の言葉しか話せない。

 隣で終わるのを待っていると、なにやら零士君はフランス語で店主と話している。

「お待たせ。この辺でゆっくり食べられる場所を聞いたから、そこに行こう」

「うん」

 やって来たのはヴォージュ広場。その芝生の上に座ってさっそく焼き立てパンをいただく。
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