政略結婚から始まる蜜愛夫婦~俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない~
 無理だよ、そんなのできない。……だって私、零士君とキスしてもいいと思っている。

 本当に信じられない。零士君に対してこんなことを思うなんて。

 でも自分に嘘をつきたくない。たくさんの想いを伝えてくれた零士君に、自分を偽りたくないもの。

 壊れてしまいそうなほど速く脈打つ心臓。どうにか必死に声を絞り出した。

「目、逸らさないよ」

 震える声で言うと、零士君は目を丸くさせた後、苦しげに顔を歪めた。

「そんなこと言って、あとからやめてって言っても止める自信なんてないからな」

 早口で捲し立てると、零士君は早急に私の唇を塞いだ。

 余裕のない荒々しいキスに胸が跳ねる。

 後頭部に手が回り、よりいっそう引き寄せられると口づけも深さを増した。

「んあっ」

 思わず声を漏らすと、その声に触発されたように零士君は私の口をこじ開ける。

 彼の舌が入ってくると、私の舌を執拗に責め立てていく。

 そうなるともうなにも考えられなくなる。零士君のことで頭の中はいっぱいだ。
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