あの夢の続きをもう1度描けたら
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騎士はこちらへ一目散に走ってきて、わたしは覚悟を決めた。
きっとわたしを殺すか、捕まえたりするはず……そう思っていた。
だが騎士は剣を振るったがわたしを刺さなかった。
「なんで……」
「ヒナノ様。ひとつアドバイスです」
耳を疑った。
なぜわたしにアドバイスを……?
そしてなんのアドバイスをするの?
「今唱えている呪文は光魔法の威力を弱めるためのものです。オススメいたしません」
それが理由で魔法が使えなかったというなら納得できる。だけど信じていいかわからない。
ユキから借りた魔法の指導書には、この呪文が一番の初歩だと書いてあった。
本が間違えるなんてことあるんだろうか。
アドバイスを貰ったものの、余計混乱してしまった。
「魔法は己の心を唱えることです」
心を、唱える……。