あの夢の続きをもう1度描けたら
「ヒナノ! そいつに耳を貸すな!」
──心がすうっと、何かが抜けていく音がする。
「部外者は黙りましょうか」
彼は黒いモヤを作って、黒い槍を生み出した。
この人は、闇の魔法使いだ。
影を操って相手を攻撃することのできる魔法使い。
──傷つけさせはしない。
「……そうはさせない」
見えてきた。
わたしが唱えるべき言葉。
わたしは彼の腕を思いっきり掴んでは、突き放す。
突然の行動に彼はされるがままだった。
そんな彼をわたしは鋭い睨みつけた。
「……怒ってるわ」
王の一方的な制裁に。
それに従うこの騎士団にも。