あの夢の続きをもう1度描けたら
そのおかげで死には至りませんでした。
しかし気絶してしまいました。
命はありましたが、自由はありませんでした。
奴隷としての価値が高いのは光の魔法使いです。
トラオムで一番少ない稀少な魔法使いですから。
闇の魔法使いも光の魔法使いに対しては丁寧に扱っています。
私は奴隷になって10年は過ぎましたが、そんな貴重な存在と出会ったことがありませんでした。
「おい、お前でいいや。ちょっと来いよ」
数ある奴隷の中から指名された私は主様に大人しくついて行きました。
口答えするだけで、魔力を吸い取られる可能性があるので返事もせずに黙るのが暗黙のルールでした。
「やりたくなってよ」
「何を、ですか……」
「こうだよ、こう!」
殴られました。
拳で、足で、私の身体中を打つつけられました。