【改訂版】新まりなの日記

【心いれかえてがんばっていると思ったら…】

6月11日・雨

6月1日より、あいつは父親からの紹介で由宇町内にある大手自動車メーカーの工場の契約社員として、再就職した。

あいつの家族たちは、あいつが幸せな結婚ができるようにと思って、次のように取り決めた。

父親と長兄は、仕事が終わったらまっすぐ家に帰る…

出張は、営業の担当者の従業員さんに任せることにした…

次兄は、時間にユウヅウがきく部署に異した。

次兄の兄嫁は、仕事をやめて専業主婦に徹する…

家族みんながそろって、兄嫁さんが作って下さった料理を食べる…

1台のテレビで、お父さんが楽しみにしているテレビ番組を家族みんなで見る…

お給料引きの約束で注文をしたお弁当で、栄養を摂る…

休日は、父親の知人が出場するカラオケ発表会やお孫さんのおゆうぎ発表会に家族全員で行く…

…と言うふうに取り決めた。

あいつの家族たちは『よいお相手と出会うには、まず家族と仲良く暮らして行くことだ…』と言うて、あいつに教えた。

しかし…

たった2日で空回りした…

2日前のことであった。

次兄が定時に帰宅しようとしたら、上司から残業を頼まれたので、残業した。

帰宅したのは、深夜11時50分頃だった。

次兄は、兄嫁から『午前様になる10分前までなにしてたのよ!!』となじられた。

せやけん、大ゲンカになった。

父親と長兄は、取引先の会社から『営業担当のB藤さんが勝手なことをした!!』と言うクレームが来たので、クレーム処理に追われた。

あいつも、再就職してから2日目に職場放棄した。

家族の決意は、ものの2日で揺らいだ…

話にならへん(ブツブツ…)

アタシはこの日、お好み焼き屋さんのチュウボウでキャベツを切る仕事をしていた。

午後8時に、仕事がひといきついた。

オタフクソース焼きそばでまかないメシを摂っていた時に、同じアパートで暮らしている知人がチュウボウに来た。

知人は、アタシにあいつが再び合コンにのめり込んだと話した。

アタシは、冷めた声でこう言うた。

「アタシは、あいつのことはどーでもええねん…あいつは女グセが悪いけん、カンチせえへん…あいつがヤクザに追われていると聞いても、アタシは助けないから…」
「そうよね…則文はふだつきのワルだから、いずれそのうち、タマとられるわよ。」
「ねえ、あいつのことでなんぞしっとることある?」
「んーとね…ああ、思い出したわ…あのね、ここだけの話だけど…銀山(かなやま)町の居酒屋で、則文が大学時代の友人たちと短大生のグループと30人と一緒に合コンしていたところみたわよ…」

さらに知人は、数日前から銀山(かなやま)町や的場町や袋町カイワイで大学時代の友人たちとあいつをちょくちょく見かけると言うた。

あいつが職場放棄したのが数日前…

…と言うことは、その時から合コンザンマイになってた…

アタシは…

もうあいつを助けることは…

でけん…

どないなろうとも…

アタシは、カンチせえへん!!
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