恋愛境界線

僅か1、2分ほどで再び戻ってきた課長の手には、女物のチュニックワンピース。


「いくらなんでも、私の服を着て電車に乗るわけにもいかないだろうから」


「課長、でもそれは……?」


「……前の彼女の物だから、もしかしたら君には少し大きいかもしれないけど、私の服よりはマシだろう」


私は構わないけど、課長の方こそ元カノの服を私に貸すのって、きっと嫌だよね……?捨てずに取っておくくらいだし。


だけど、確かに課長の言う通り、人目に付く中、男物のダボついた服を着て帰るのは勇気がいるかもしれない。


そう思って、ここは課長の好意に素直に甘えることにした。


「有難うございます」


ドアを開けて課長の手から薄いブルーのチュニックワンピースを受け取ろうとした瞬間、身体から布団が滑り落ちた。


ブラとショーツ姿を(さら)してしまった私の正面では、一瞬時が止まったかの様に若宮課長が固まった。


「き、きゃぁあああ!」


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