恋愛境界線
これから友人と会うというのに、そんなカミングアウトをされても困るし、やっぱり訊かないでおこう。
っていうよりも、聞かなかったことにしよう!
『君がどうこうという問題ではなくて、ホモサピエンスに興味はないんだ』
若宮課長はさっき、こう言っていたと思うことにしよう!これでオールオッケー。
あの人、性別問わず、人間全般に興味がなさそうだし。
……ただ、この流れだと、どうしてもサピエンスの前の二文字にさえ、引っ掛かりを覚えてしまって仕方がないけれども。
とりあえず、今はさっさと着替えを済ませてしまおうと、布団を手放して課長に借りたワンピースに袖を通す。
普段7号を着ている私に、13号のそれは大きく感じる。
それと同時に、ふと私の中で引っ掛かりを感じることがもう一つ。
女に興味がないとか言っておきながら、そう口にした課長には過去とはいえ、ちゃんと彼女がいたってこと。
いずれにしても、私には関係のないことだけど。