恋愛境界線
それにしても、会話が見つからなくて、流れる沈黙が気まずい。
若宮課長と一緒に居る時の沈黙って、こんなに居心地が悪かったっけ……?
早くこれを飲み干してこの場を去ってしまいたいけれど、不味すぎてそれも容易ではない。
このまま自分のデスクに持ち帰るのも、PCや大事な資料がある自分の席で、蓋のない飲み物を置くのは基本的にNGだから出来ない。
……すっ、捨ててしまいたい!
気分転換を図りにきたというのに、逆効果になってしまった展開を恨んでいると、若宮課長が横目でちらりと私に視線を向けた。
「ところで、芹沢君。一つ訊きたいことがあるんだが」
不覚にも、その視線、名前を呼ぶ声に、ドキッとしてしまう。
「はい、何でしょう……?」