恋愛境界線
「……どうしましょう。これ」
完全に若宮課長が去った後には、例のクオカードが1枚。
返しそびれてしまったそれを、深山さんに向けて見せる。
「若宮さんもああ言ってたことだし、今回はご厚意甘えて、そのまま受け取っておけば良いんじゃないかな」
「そうですか……?」
軽く二度頷いた深山さんに、一旦預かっておくということにしようと思いながらクオカードを財布に仕舞った。
「それにしても、あんな若宮さんは初めて見たかも……」
「あんなって、どんなですか?」
若宮課長が嫌味くさかったことを言っているのだとしたら、あれが通常仕様ですよー、と。
深山さんといる時の若宮課長の方こそニセモノなんですよーと、暴露してやりたい。
深山さんは、「どんなって……そうだなぁ」と、少しだけ思案する素振りを見せた。