恋愛境界線
きっと、課長は私が居候していた頃を指して、『いつも夕飯を食べる時は』と言いたかったのだろう。
けれど、深山さんや他の人の手前、そう言って誤魔化したのは明らかだった。
「私はいいんです。白米が好きなので、最後に白米だけ食べようが問題ありません。むしろ、最後は白米で締めたいくらいです」
「それならば、私だってどう食べようが、君にとやかく言われる謂れはない」
ご馳走様、と言って若宮課長が静かに立ち上がる。
えっ、もう!?と思ってトレイを見れば、確かにご飯もお味噌汁も綺麗になくなっていた。
「お二人はごゆっくり。けど芹沢君は、深山君の昼食の邪魔はしないように」
言いたいことだけを言い残して、若宮課長はそのままトレイを下げに向かった。
「ちょっ……!」
ちょっと、待って下さい若宮課長!
結局、キャベツの千切りだけは思いっきり残してるじゃないですかっっ!!!