恋愛境界線
今までにだって、いざという時には必ず私を庇ってくれた。
今回そこに私が加わることで、もし仮に私の身に何か起こったとしても、それを課長にカバーしてもらいたくはなかった。
だって、そんなことになったら本末転倒だ。
全てが若宮課長の為を思っての行動ではないけれど、そこには今度は私が課長の力になりたいという想いもあったから。
最初は躊躇していた支倉さんも、この件においては、同じ立場として私に共感できる部分が多かったのか
あるいは、交換条件として渋々だったのか、いずれにしても、最終的に私が関わることを認めてくれた。
それからは二人で話し合って動いた。
課長には内緒にしたまま、二人で片を付けようということになった。
だから、あの食事の時もそうだった。
奥田さんの前で、私はわざとパスワードを口に出したし、怪しまれない様に、支倉さんが自然な会話の流れを作ってくれた。
もし奥田さんが本当に犯人で、まだ何か画策しているとするならば、私のPCのパスワードを知ることで、また何かしらの動きに出るんじゃないかと踏んで。