恋愛境界線

この件で動く時は一緒に。決して、勝手に一人では動かないと約束した。


けれど、私たちの作戦が必ずしも成功するとは限らない。


逆にこちらが不利な状況になった場合のことを考え、支倉さんには悪いけど、私は最初からこうすると決めていた。


私が一人で何とかしてみせるんだって。意地でもそうするって。


その為なら使いたくない手だって使うと決意し、一人で動いた。


だから、今日私が動くことは若宮課長は勿論のこと、支倉さんだって知らなかったはずなのに。


私と同じ様に、二人の登場に驚いた奥田さんが、いつもの調子で尋ねた。


「二人揃って、こんな時間にどうしちゃったわけ?」


「それはこっちのセリフ。奥田くんこそ、こんな時間に他部署で何をしてるのよ」


こっちが先に訊いてんだけど?と、奥田さんが冷やかに言い返す。


「噂通りよりを戻したのなら、俺になんて構ってないで、二人で楽しく過ごしてればいいよ」


< 546 / 621 >

この作品をシェア

pagetop