恋愛境界線
「ところで芹沢君、君の荷物は?」
「あっ、そうだ!」
玄関に置きっぱなしにしてあったキャリーバッグを、与えられた部屋へと運び込む。
「……ちょっと待ちなさい。それは、何だ?」
それ、と言って課長が指したのは、キャリーバッグの上部に括り付けられた四角いバッグ。
奥行と横幅が2~30cm、高さが25cm程度の大きさのそれは、持ち運びが出来るコンパクトなケージで、紐で括りつける際に周囲を軽く布で包んではいるものの、酸素を取り込める様にと、一部は剥き出しの状態だった。
それをそっと背後に隠したまま、そろそろと部屋の隅へ移動させる。
「これはまぁ、荷物の一部です。怪しい物ではないので、お気になさらず」
「見るからに怪しいんだが?」
「課長っ!課長も私のプライバシーは尊重して下さい!」
「煩い。それとこれとは話が別だ」