期間限定恋人ごっこ【完】番外編
私がそう言ったところで信じてくれる人はユカ以外いないし、むしろ彼らの私に対する゛目゛が酷くなるだけだ。
ハハっと乾いた笑いをすると『はいはい、この話はもう終わり』と言ってユカを席に着かせた。
私の席は1番後ろの窓側…席替えがあろうといつもここ、定位置なんだ。
そしてユカは私の前の席。
横は…2ヶ月前に付き合った男子。
前はいいけど横は空席であってほしかったところだ。
この男は別れた今もしょっちゅう私を見てくる。
その視線がウザくて目障りで仕方ない。
5時限目が終わり6時限目の準備をする。
次は体育か。好きでもないけど嫌いというわけでもない。
ただ、苦手というだけ。
そんな苦手な科目をやるため体育着に着替えるとユカを連れてグラウンドへと向かう。
向かう途中、5時限目が終わっただろう体育着で汗を拭う彼が来た。
あ、あの子…確か名前は松本 久志(マツモト ヒサシ)。
てか、お腹…素晴らしい腹筋が見えてる。
『久志くん』
「先輩!あ…名前」
名前?え、間違えてないよね?
それとも…
『苗字がよかった?』
「あ、いえ…その、違くて。名前で呼んでもらって嬉しくて」
と可愛い笑顔を見せた久志くん。
うわ、こんなにいい笑顔を他の女子が見たら惚れちゃうやつだ。