姉のカレシの、闇に溺れて



「……………紗和もユウくんも許せない。これからも絶対許せない。私とユウくんが付き合ってた事なんて誰も知らないのに、これから紗和とユウくんが付き合っていく事を皆が知る事に耐えられない……妹にカレシを取られるなんて、私、惨めすぎる……」



 姉の言葉が私の胸を抉る。


 …………それでも必死に頭を下げていると、視界に悠一さんの頭が見えた。



 一緒に深く深く、頭を下げてくれた。
 


 『月野もユウイチさんも顔上げて』と、南瀬くんの声に甘んじてゆっくりと顔を上げると、南瀬くんはお姉ちゃんの肩に軽く手を置いた。


「…………俺が知ってるじゃん。俺はお姉さんとユウイチさんが付き合ってたの知ってるから。愚痴吐きは俺が聞くから」


 …………南瀬くん。
 南瀬くんの優しい言葉に、お姉ちゃんは頷き、また、泣き始める。


「………ユウくん、今日、紗和をユウくんの家に泊めてあげて。悪いけど今は紗和の顔見れない」



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