姉のカレシの、闇に溺れて



 仕出かしてしまった罪の重さで、姉の顔を見ることができない。



 ダメだ。ダメだ。
 こんなんじゃダメだ…………


 "ユウくんと何かあった"と悟られたらダメだ。


 ―――もう悠一さんには絶対会わない。



 ✥✥✥



 それからというもの、時々悠一さんに会いに家を出ては、暗い顔をして戻ってくる姉。



 それが一ヶ月も続けば、さすがに気にしてしまう。でももう、これ以上悠一さんに巻き込まれたくない。



 クリスマスもお正月も悠一さんと過ごさない姉を気になりながらも、私は見てみぬフリをしていた。



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