君の想いは僕のもの。



「うわ〜、1年ぶりだね。お祭り」



「まあ、1年に1回だしね」



わたし達が暮らしている地域での大きいお祭りはこれくらいしかないのだ。



「それにしてもさ、皆浴衣着てるね」



「有季も着たい?」



「うん!あるなら着たいかな!」



自分が着たいっていうのももちろんあるけど、わたしがせいちゃんの浴衣姿を見たいという理由もある。



「じゃあ、あそこのレンタルの出店行く?」



せいちゃんが指をさしてそういう。



「うん!行く!」



そうして、わたしたちはで店がある方向へと向かった。



「あ、そうだ。せいちゃん、浴衣選びっこしない?」



「有季が俺の選んでくれるの?」



子犬みたいにとても嬉しそうにしている。



「え?うん」



「そっか。じゃあしよっか、選びっこ」



せいちゃんは、嬉しそうにわたしの手を引っ張って急いでお店へと向かった。



(そんなに浴衣好きなのかな……?)



「せいちゃん……なんでも似合うから困るな……」



わたしは浴衣を選ぶコーナーですごく悩んでいた。
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