君の想いは僕のもの。



「よし、これにしようかな」



たくさん悩んだ末、わたしは選んだ浴衣をせいちゃんと交換して、急いで着替えを始めた。



(せいちゃん、喜んでくれるといいな……。)



「有季、終わった?」



「うん!いまでる!」



そう言って、着替えコーナーから出ると、深緑の浴衣を着たせいちゃんが立っていた。



「せいちゃん!どう?似合ってる!?」



「うん。すごいかわいい」



せいちゃんが選んでくれた浴衣は黄色の生地に青色のお花が散りばめられているものだった。



「じゃあ、行こっか」



「うん!」



そうして、わたし達は浴衣の出店を出た。



しばらく出店の中を歩いていると、綿あめの屋台を見つけた。



「有季、綿あめあるよ」



「え!ほんと!食べたい!」



わたしは綿あめが大好きで、あの見た目とふわふわな感じがとても気に入っている。



「俺買ってくるからそこ座ってて〜」



せいちゃんはそう言って、わたしをベンチまで連れていってくれた。
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