吐息
聞き覚えのある声に、私は振り返った。
そこにいたのは、飛鳥さんだった。
どうして?
さっき、背を向けて行ったはずなのに。
「あ、すかさ……」
驚いていたのは、酔っ払った男も同じらしい。
「んだよ。てめー、邪魔すんな」
「邪魔なのはお前だよ。さっさと失せろ。こいつは俺の女だ」
飛鳥さんが、私の肩に手を回し、男から引き離す。
「はぁ? 急にやってきて、何言ってんだよ。ばぁーか! そんな優男に、女を守れるわけねー! ホストみてーな格好しやがって! 強がんなっ!」