吐息
陸くんといっしょにいるのは、飛鳥さんだった。
黒いスーツに、グレーのコートを羽織った彼。
その姿を見るだけで、体温が1℃上昇した心地になる。
彼と会うのは、10日ぶり。
あの日キスされて以来会っていない。
飛鳥さんからの口づけ。
柔らかな唇の感触を思い出し、落ち着かない気持ちになった。
とはいえ、会えて嬉しいことに変わりはない。
飛鳥さんはニコニコと笑いながら、陸くんとなにか話しているようだ。
けれど、当の陸くんはちょっと困ったような顔をしている。