吐息
彼は言った。
「初めて、君を見たとき……なんだか、放っておけない気持ちになったんだ」
「ぇ……」
「お店に来た日、君は今にも泣き出しそうな顔をしていた。だからかな……構ってやりたいと思ってしまうのは」
目を伏せながら、そう呟くように言う飛鳥さんの頬は、少し紅潮しているように見えた。
放っておけない。
その気持ちだけで、胸がいっぱいになった。
母親が死んで絶望していた。借金を返すために、がむしゃらに生きなければないないと覚悟していただけに、彼の優しさが胸に沁みた。