Fw: R-17〜もう一度、人生をやり直したいですか?〜
中央階段の向こう側にあるトイレの個室へと勢いよく飛び込む。
ここは確か来客用で、生徒は普段入れない。
美香の前で見てもよかったけれど、なんとなく冷静でいられなくなりそうで逃げ出してしまった。
激しい動悸に眩暈がしそうで、ふーっとゆっくり息を吐きながら扉にもたれかかる。
このメールは、間違いなく私が過去へとタイムリープするきっかけになったメールだ。
あの時と違って、【完了】の文字が付け足されていた事が何よりもその証拠だと私に思わせる。
───今度は何が書かれているのか。
震える指でメールを開くボタンを押した。
【件名:Fw:R-17 完了】
『restartまで15日』
───……restart……?
リスタート……リスタート……って、
「……再起動っ!?」
思わず大きな声が漏れてしまい、慌てて口元を押さえた。
再起動……再起動って、まさか、元の自分の年代に戻されるって事!?
バクバク鳴る心臓に苦しくなりながら、何度も何度も同じメールを繰り返し見返す。
だけど何度見てもやっぱり、これだけしか文は書かれていなくて余計に焦る。
一生このままってわけではないだろうとは思っていたけれど、まさかもう残された時間が15日しかないなんて……!
たった15日じゃ、未来なんて変えられない。
絶望感に頭を抱えて必死に考える。
諦める……?
───嫌。ダメ。絶対それだけは嫌。
この15日の間に赤星に結婚を申し込む……?
───無理。常識的に考えて年齢的にも絶対無理。
智政に出会わないよう、未来の私に手紙を書く……?
───そんなの未来の私が信じるとは到底思えない。
じゃあ、どうすれば────。
そう思った時、ハッとあのメールが脳裏をよぎった。