マネキン少女
正直疲れる。


「じゃあ、交換だけ……しましょう……」
「やったあ!」


つい……。推しの強さにやられ、連絡先を交換してしまった。


ユウヤは最寄り駅で降り、私は電車に揺られる。


家に帰るのは辛いから、帰り道に有る大きな公園に向かった。


公園をブラブラしながら、スマホで綺麗な自然の写メを撮るのが幸せ。


犬を散歩している人を見て、将来犬を飼いたいなぁなんて思いながら眺める。そんな時間も幸せだ。


写メを撮っていると、スマホがブルリと震えメッセージを受信する。


『ねーねー!いつ、俺ん家遊びに来るー?』


そんなメッセージに心底萎えてバッグに携帯をしまう。


しかし、通知が鳴り止まない。


「用事あるって言ったのに……」


近くにあったベンチに腰掛け、バッグから携帯を取り出すとメッセージを確認した。


『来週俺ん家来てよ!!』
『るるちゃーん!!』
『忙しいの!?』
『用事終わったら電話しない?』


『俺、正直溜まってるから早くるるちゃんに会いたい!!』
『早く!!るるちゃんとヤリたいよ!!』


身体中から血の気が引いてゆく感じがする。


気持ち悪い__





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