【コミカライズ】皇帝陛下、今宵あなたを殺害いたします―復讐するのに溺愛しないでください―
『あの事件は、前皇帝が他界した直後の、ぐらついた政権を狙った、革命のような出来事だ。本来であれば彼らは、争いを好まない普通の民。もう二度とない』
『そうですね⋯⋯。“異端派”はもういないはずですし』
“異端派”――。
当時、組織の中には武力行使で早急な解決を求めるものが数名いた。城へ侵入し襲撃を試みたのは、その一派だ。
組織のほとんどは、武器を持ったことのない国民。そのため、大きな争いを起こすなんて考えは持たず、起きたとしても、小規模な内乱やデモで収められてきたのだが⋯⋯。
慣れない剣を振り上げ、夜の城内に侵入するといった、十年前の事件が起きた。
それにより、侵入した数名と、こちら側からは当時の宰相――ジャドレが死んだ。
最も――その全ての命を奪ったのは俺だとも言えるのだが。
ここ十年は組織に目立った動きもなく、平穏だったというのに⋯⋯。よほど、ヴァルフィエ王国と接点を持つのがいやらしいな。
雲行きが、怪しい。
『とりあえず、5日後にネスカに向かう。遠征の準備をしておけ』
そう指示するなりクロードのもとへ急ごうとしたとき、珍しくカルムの慌てた様子が視界に入り、足を止めた。
『どうした?』
『五日後は仮面舞踏会の日となりますので、陛下のご都合がまずいのでは? それと、その日程ですと、私もレイニーも同行が難しいかと思われます』
あぁ――そういえば仮面舞踏会の時期だったな。
毎年少しばかり見学をして、悟られる前に退室していたためさほど重要にも考えていなかった。
しかし、引っかかるのは――。