皇帝陛下、今宵あなたを殺害いたします―復讐するのに溺愛しないでください―【コミカライズ原作】
未来のことは、これからどうなるのかわからない。
またいつか“彼ら”が動き出すのか。それともそのまま収束していくのか。
それでも、私は、彼と共に、このヴァルフィエを見届けていきたい。
あなたの眼となって。あなたの支えとなって。
きっと、あなたを守ったお父さまも、それを望んでいる――
「皇帝ルイナード=グランティエに永遠の愛と忠誠を誓います」
これが私の答えだ。
誓いをはっきり述べると、触れ合っていた指先にキュッと力を込められた。
「では、誓いのキスを」
神父さまの声を合図に、ヴェールが持ち上がり、ルイナードの黄金の瞳が、優しく細められる。
「これで、アイリスは俺のものだ」
「バカね。昔から私はあなたしか見てないわ」
再び出会ってくれて。変わらず愛してくれて。お父さまを忘れないでくれて。
ありがとう。ルイナード。
私たちは大勢が見守る中、主祭壇の前で、とても甘くて長い、誓いのキスを交わした。
新たな時代の幕開けに、ホール内が、瞬時にして割れんばかりの声援に包まれる。
ルイナードとなら、大丈夫。
素敵な家族になれ――――